はじめに
DaVinci Resolveのアップデート情報、気になっていませんか? バージョン20が2025年5月に正式リリースされてから継続的に機能強化が進み、2026年時点では編集ワークフローがかなり変わってきています。さらに2026年4月にはバージョン21のパブリックベータも発表され、次のメジャーバージョンに向けた動きも本格化しています。
この記事では、2026年時点のDaVinci Resolve(バージョン20系列)の最新機能をページ別に整理しつつ、2026年4月に発表されたバージョン21の概要にも触れてお伝えします。自身もYouTubeチャンネル(登録者6万人超)を5年以上運営するクリエイターとして、またDaVinci Resolve認定トレーナー・プラグイン開発者として、実際に使ってみた所感も交えながら解説していきます。
なお、Blackmagic Designの正式な製品名は「DaVinci Resolve 20」「DaVinci Resolve 21」のようにバージョン番号方式で、「DaVinci Resolve 2026」という年号付き製品名は存在しません。本記事では便宜的に「2026年時点での最新状況」という意味でこの表現を使っています。
DaVinci Resolve 2026年時点の主要アップデート概要
DaVinci Resolve 20は、Blackmagic Designが2025年5月に正式リリースしたメジャーバージョンです(NAB 2025でのパブリックベータは2025年4月4日発表)。その後も継続的なポイントアップデートが行われ、2026年時点では初期リリース時から相当の進化を遂げています。
さらに2026年4月14日には、次期メジャーバージョンであるDaVinci Resolve 21のパブリックベータが発表されました。バージョン21の詳しい新機能については「DaVinci Resolve 21の新機能まとめ」で別途解説していますので、あわせてチェックしてみてください。本記事ではまず、2026年時点で多くのユーザーが実運用しているバージョン20系列の機能強化を整理します。
全体的な方向性として特に目立つのは、AI関連機能の拡充です。DaVinci Neural Engineを活用した自動処理がさまざまなページに展開され、手作業で時間のかかっていた工程が大幅に短縮されています。また、マルチプラットフォーム対応の強化や、UIの細かな改善も数多く含まれています。
プラグイン開発者の立場から見ると、Fusionページの機能拡張やスクリプトAPIの充実は特に注目に値します。サードパーティプラグインとの連携がよりスムーズになり、カスタマイズの幅が広がりました。
Editページの進化|編集効率を高める新機能
Editページはもっとも多くのユーザーが日常的に使うページだけに、アップデートの影響も大きいところです。
AIアシスト編集機能の強化
DaVinci Neural Engineを活用した自動編集支援が進化しました。音声認識ベースのテキスト編集がより高精度になり、日本語の認識精度も改善されています。長尺のインタビュー素材やトーク系動画の粗編集が、かなりスピーディーに進むようになりました。
自分のYouTubeチャンネルでも、トーク部分のカット編集にこの機能を活用するようになってから、粗編集にかかる時間が体感で3割ほど短くなった印象です。
タイムライン操作の効率化
タイムライン上でのクリップ操作に関しても、細かな改善が積み重ねられています。マルチトラックでの一括操作や、マーカー管理の柔軟性が向上し、複雑なプロジェクトでもストレスなく作業を進められるようになっています。
特にキーボードショートカットのカスタマイズ性が高まった点は、日常的に大量のカット編集をこなすクリエイターにとってありがたい改善です。延べ1万人以上に動画編集を教えてきた経験上、ショートカットを使いこなせるかどうかで編集スピードは2倍以上変わります。効率的な編集テクニックについては「YouTube動画編集の効率化テクニック5選」でも詳しく解説しています。
メディア管理とプロキシワークフロー
メディアプールの検索・フィルタリング機能が強化され、大量の素材を扱うプロジェクトでの管理がしやすくなりました。プロキシ生成のワークフローも最適化されており、4K以上の高解像度素材をスムーズに扱えるようになっています。
Fusionページの強化ポイント
Fusionページは、DaVinci Resolveの中でも特に奥が深いページです。バージョン20系列のアップデートでは、このFusionにも注目すべき改善が加わっています。
パフォーマンスの最適化
Fusionのレンダリングパフォーマンスが向上し、複雑なノードツリーでもプレビューの応答性が改善されました。GPU活用の最適化が進んだことで、特にパーティクルやトラッキングなど計算負荷の高い処理でその効果を実感できます。
プラグイン開発の検証作業でも、以前は重くなりがちだった多段ノードの組み合わせテストが格段に快適になりました。
ノードの新規追加と改善
テキスト関連のノードやシェイプ生成ノードに新しいオプションが追加され、タイトルやローワーサードの制作がより柔軟になっています。テロップ制作において「もう少しこういう調整がしたい」と感じていた部分が解消されている印象です。
テロップ周りの制作効率をさらに高めたい場合は、テロップライブラリ プロのようなテンプレートを活用すると、Fusionノードの知識がなくてもプロ品質のテロップを素早く挿入できます。
3D機能とVFXワークフロー
3Dワークスペースの改善やUSD(Universal Scene Description)対応の強化など、VFX寄りのアップデートも含まれています。映像制作の現場でDaVinci Resolveをメインツールとして使うケースが増えていることを反映した強化と言えるでしょう。
Fairlight・Colorページのアップデート
Fairlightページ|オーディオ制作の進化
Fairlightページでは、AIベースのノイズリダクションとダイアログ分離機能がさらに精度を上げています。環境ノイズが多い屋外ロケ素材でも、かなりクリーンな音声に仕上げられるようになりました。
また、イマーシブオーディオ(空間オーディオ)への対応強化も進んでいます。Dolby Atmosミキシングのワークフローが改善され、対応コンテンツの制作がより身近になっています。
Colorページ|カラー調整の新ツール
Colorページでは、AIを活用した自動マッチング機能の精度が向上しました。異なるカメラで撮影した素材の色を合わせる作業が、より正確に行えるようになっています。
HDRグレーディングのワークフローも改善されており、HDR対応モニターでのプレビュー環境がスムーズに構築できるようになりました。無料版とStudioの機能差がもっとも大きいのがこのColorページで、HDR関連の高度な機能はStudio限定となっています。DaVinci Resolveの無料版とStudioの違いについて詳しく知りたい方は「DaVinci Resolve無料版と有料版(Studio)の違いを徹底比較」をご覧ください。
無料版と有料版(Studio)の新機能の違い
DaVinci Resolveの大きな魅力のひとつは、無料版でも非常に多機能であることです。バージョン20系列、そして2026年4月発表のバージョン21パブリックベータでも、この方針は変わっていません。
無料版で使える主な新機能
Editページの基本的な効率化機能やタイムライン操作の改善は、無料版でも利用できます。Fusionページのパフォーマンス向上や基本的なノードの追加も、無料版に含まれています。日常的な動画編集ワークフローにおいては、無料版だけでも十分に恩恵を受けられるでしょう。
Studio限定の新機能
一方で、DaVinci Neural Engineを活用した高度なAI機能(高精度ノイズリダクション、AIベースのオブジェクト除去など)はStudio限定です。また、4K DCI以上の解像度での書き出しや、複数GPUの活用、一部の高度なHDRツールもStudioのみとなっています。
| 機能カテゴリ |
無料版 |
Studio |
| Editページの基本改善 |
利用可 |
利用可 |
| AI音声認識(基本) |
利用可 |
利用可 |
| AI音声認識(高精度) |
— |
利用可 |
| Fusionパフォーマンス改善 |
利用可 |
利用可 |
| 高度なノイズリダクション |
— |
利用可 |
| 4K DCI超の書き出し |
— |
利用可 |
| HDR高度ツール |
— |
利用可 |
| 複数GPU活用 |
— |
利用可 |
5,000本以上プラグインを販売してきた経験からすると、ユーザーの多くは無料版からスタートして、特定の機能が必要になったタイミングでStudioに移行しています。まずは無料版で最新機能を試してみて、自分のワークフローに必要かどうかを判断するのがおすすめです。
まとめ|DaVinci Resolve 2026年時点で変わること
2026年時点のDaVinci Resolve(バージョン20系列)の主要アップデートを振り返ると、以下のポイントが特に注目に値します。
- AI機能の拡充: Neural Engineを活用した自動化が各ページに浸透し、手作業の負担が軽減
- Editページの効率化: 音声認識やタイムライン操作の改善で、日常的な編集が高速に
- Fusionの安定性向上: パフォーマンス最適化とノード追加で、より複雑な表現が快適に
- Fairlight・Colorの進化: AIノイズリダクション精度向上とHDRワークフロー改善
- 無料版の充実: 基本的な改善の多くは無料版でも利用可能
- バージョン21の登場: 2026年4月14日にパブリックベータが発表され、次のメジャーアップデートへの移行期に
DaVinci Resolveは無料で始められる上に、プラグインやテンプレートで機能を拡張できるのも大きな強みです。おすすめのプラグインについては「DaVinci Resolveプラグインおすすめ|用途別に厳選して紹介」で詳しくまとめていますので、あわせてチェックしてみてください。
まずはバージョン20系列の最新ビルドにアップデートして新機能を試しつつ、次のメジャーアップデート(バージョン21)の情報もキャッチアップしていくのがおすすめです。バージョン21の詳細は「DaVinci Resolve 21の新機能まとめ」で確認できます。
※ 本記事の内容は2026年4月時点の情報に基づいています(Resolve 20正式リリース: 2025年5月、Resolve 21パブリックベータ発表: 2026年4月14日)。今後のアップデートで変更される可能性があります。